2015年7月13日月曜日

新作トルコ映画

<トルコとの貿易(輸出入)、トルコへの投資、トルコ新規市場参入を考える日本企業様へ>
トルコの巨匠ヌリ・ビルゲ・ジェイランによる、第67回カンヌ国際映画祭パルム・ドール大賞を受賞した大作が、ついに日本に上陸しました。

邦題:『雪の轍』(原題:『Kış Uykusu』)
監督:ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
出演:ハルク・ビルギネル、メリサ・ソゼン、デメット・アクバァ、ネジャット・イシレル
物語:
世界遺産のトルコ・カッパドキアに佇むホテル。親から膨大な資産を受け継ぎ、ホテルのオーナーとして何不自由なく暮らす元舞台俳優のアイドゥン。しかし、若く美しい妻ニハルとの関係はうまくいかず、一緒に住む妹ネジラともぎくしゃくしている。さらに家を貸していた一家からは、思わぬ恨みを買ってしまう。やがて季節は冬になり、閉ざされた彼らの心は凍てつき、ささくれだっていく。窓の外の風景が枯れていく中、鬱屈した気持ちを抑えきれない彼らの、終わりない会話が始まる。善き人であること、人を赦すこと、豊かさとは何か、人生とは?他人を愛することはできるのか―。互いの気持ちは交わらぬまま、やがてアイドゥンは「別れたい」というニハルを残し、一人でイスタンブールへ旅立つ決意をする。やがて雪は大地を真っ白に覆っていく。彼らに、新しい人生の始まりを告げるように。
(『雪の轍』公式HPより)
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ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督は、トルコを代表する芸術映画の巨匠です。
これまでにもカンヌ映画祭をはじめ数々の国際映画祭で受賞していますが、日本で一般公開されるのは実は初めて。地中海映画祭、ぴあフィルムフェスティバルなど、個々の映画祭で上映されたことはありますが、日本の配給会社がついたことは残念ながらありませんでした。

以前、ジェイラン監督の『冬の街』がカンヌ映画祭でグランプリと男優賞のダブル受賞をした際に、ある配給会社の方に日本での公開の可能性についてお尋ねしたのですが、
「う~ん…、重いのはちょっとあんまりね~」
と言われました。

写真家としても活躍していたジェイラン監督の圧倒的な映像美と、人間の深淵をえぐるような哲学的かつ文学的な作品は、確かに観方によっては「地味」の一言で片付けられてしまうのかもしれませんが…。

『冬の街』の前作となる『五月の雲』は、2001年の国際交流基金による地中海映画祭で鑑賞しました。トルコの片田舎の日常の鬱屈感が静かに爆発するような、淡々とした不思議な作品でした。

その後、トルコ在住中にジェイラン監督と交流させていただく機会があって、いろいろとお話を伺ったのですが、やはり『冬の街』の受賞結果を受けても日本のバイヤーが交渉に来ることはなかった、とおっしゃっていました。個人的には、『冬の街』には非常に感銘を受けたのですが、日本で公開されないのが大変もどかしかったのが思い起こされます。

カンヌが認めたその才能を、ぜひ映画館でお確かめください。

全国各地で上映中です!!


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トルコ最新映画情報としてもうひとつご紹介します。

日本トルコ合作映画『海難1890』がクランクアップし、7月9日にクランクアップ報告会見が開かれました。

こちらは、日本とトルコの友好のきっかけとなった1890年の軍艦エルトゥールル号の海難事故と、1985年のイラン・イラク戦争勃発時のトルコ航空による邦人救出劇という、ふたつの歴史上の出来事を題材にした歴史大作です。

タイトル:『海難1890』
監督:田中光敏
出演:内野聖陽、ケナン・エジェ、忽那汐里、アリジャン・ユジェソイほか
物語:
1890年の和歌山県紀伊大島樫野(現:串本町)。この地に暮らす医師・田村(内野聖陽)は、貧しい者を親身になって診察することから村民の信頼を集めていた。彼の傍には許婚を海難事故で亡くしたショックから口がきけなくなったハル(忽那汐里)が、いつも助手として就き従っている。同年9月、日本への親善使節団としての使命を終え、帰路についたトルコのエルトゥールル号は台風に遭遇した。暴風雨の中、船は樫野崎沖で沈没。島中に響き渡る船の爆発音を聞いた村民たちは、岸壁で漂着した膨大な数の死体と船の残骸を発見する。村民は総出で救出活動を行い、田村とハルは救護所でけが人の手当てに追われる。救護所に運び込まれた海軍機関大尉のムスタファ(ケナン・エジェ)は呼吸が止まっていたが、ハルの懸命な心臓マッサージで息を吹き返した。翌日、生き残った乗組員は69名と判明。実に500名以上が犠牲になった大惨事だった。自分が生き残ったことに罪悪感を覚えて苦悩するムスタファは、やり場のない怒りを田村にぶつけた。田村は漂着物を綺麗に磨いて、母国の遺族に返そうとする村人たちの姿をムスタファに見せる。ムスタファの胸には、人を想う日本人の深い真心が刻まれた。

 1985年のイラン・テヘラン。空爆が続く地下避難壕でトルコ大使館の職員ムラト(ケナン・エジェ)と日本人学校の教師・春海(忽那汐里)は出会った。やがてサダム・フセインが48時間後にイラン上空を飛行するすべての飛行機を無差別攻撃すると宣言。日本大使・野村(永島敏行)は救援機を要請するが、日本では迅速な対応が難しい状況にあった。その間にも他の国々では救援機が到着し、徐々に日本国民だけが取り残されていく。日本から来た技術者・木村(宅間孝行)は、イラクからの砲撃が続く状況に危機を感じながらも、すでに家族と脱出を諦めていた。だが春海は子供たちを救うために奔走し、野村にトルコに救援機を頼むように進言。野村の要請を受けたトルコのオザル首相は、救援機を飛ばすことを承諾する。ところがテヘランの国際空港には日本人の他に、救援機を待つトルコ人たちで溢れていた。その状況を見た木村たち日本人は、飛行機に乗ることを諦めかける。そのときムラトはトルコ人に対して、かつて日本人から自分たちが受けた真心の歴史を語り始めた……。

(『海難1890』公式HPより)

日本とトルコの友好関係の礎として有名すぎる感動秘話。
トルコでは学校の教科書にも載っている話だそうですが、日本では一般的にあまり知られていないのが残念なところ。

エルトゥールル号事件から125年、テヘラン邦人救出劇から30年。
この映画によってより広く知られるようになること、日本とトルコの関係が今後さらに深まっていくひとつのきっかけとなることを願います。

公開は12月5日。今から楽しみです!!
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