2016年8月10日水曜日

プーチン大統領×エルドアン大統領、歴史的会談

<トルコとの貿易・輸出入、トルコ投資、トルコ進出を考える日本の企業様へ>


8月9日、ロシアのサンクトペテルブルグで、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領の会談が実現しました。

http://www.cumhuriyet.com.tr/haber/turkiye/581727/Putin-Erdogan_zirvesi..._Adim_adim_normallesme.html

昨年11月にトルコ領空を侵犯したとしてトルコ軍がロシア戦闘機を撃墜した事件により、一気に悪化した両国関係。両国ともに一歩も主張を譲らず、関係は急速に冷え込みました。ロシアはトルコに対して様々な分野での制裁を決定し、特に受注・青果・エネルギー・観光セクターでトルコは大きなダメージを受けました。
トルコ統計局のデータによると、二国間貿易は今年上半期で昨年の130億ドルから85億ドルに落ち込み前年比35%減。各セクターで、今回の会談に対する期待は高く、ここ連日トルコの時事はこの会談の実現を注視していました。

冷え切った両国の関係の正常化に向けた最初の一歩は、6月12日「ロシアの日」にプーチン大統領にあててエルドアン大統領が送った手紙でした。手紙の中で、エルドアン大統領はトルコを代表してロシアの日を祝うとともに、トルコとロシアの関係修復を願う旨をつづりました。
その後、6月29日、戦闘機撃墜事件後初めて両大統領の電話会談が実現。
7月1日には両国上層部同士の会談がソチで実現しました。
同日プーチン大統領はトルコ向けツアー販売禁止およびチャーター機の航行を含む制裁の解除に向けた決定にサインし、翌日にはトルコのリゾート地は再びロシア人に最も人気の観光エリアに返り咲きました。(※今年上半期で、ロシアからトルコへの観光客の数は、前年比87%減の18万4千人に落ち込んでいました。)
7月15日にトルコで起こったクーデター未遂事件に際しては、真っ先にエルドアン大統領にお悔やみの電話をかけてきた内の一人がプーチン大統領でした。
7月26日にはシムシェキ副首相とゼイベクチ経済大臣がモスクワでトルコ産食品に対する貿易障壁の撤回に向けた交渉を開始しています。(※ロシアは1月1日付けで、青果物や鶏肉など主だった項目でトルコからの食品の輸入を禁止していました。)

今回の大統領会談は、こうした両国間の歩み寄りを決定づけ、協力関係の復活を宣言するもので、ゆえに「歴史的会談」と報じられています。

エルドアン大統領のサンクトペテルブルク訪問には、関係閣僚に加え、ロシアで多大な投資を行っている多数のビジネス界の要人からなる一団も同行。「双方向の業務提携を再び高いレベルに引き上げること、また今日の地域的かつ国際的な問題に取り組むことが期待される」とエルドアン大統領は事前に話しており、トルコ現地メディアも、戦闘機撃墜以前の二国間貿易の目標額1000億ドルを再び掲げ、「1000億ドルの握手」などと報じています。

トルコ-ロシアの経済関係で最重要分野は、やはりエネルギーと観光です。天然ガスの輸入や、「ターキッシュ・ストリーム」(トルコ経由の天然ガスパイプライン敷設案件)やロシアが進めているトルコ初の原子力発電所となる「アックユ・プロジェクト」といった事業など、エネルギー事業における提携は両国が最も重要視するところです。今回の会談で、凍結していたこれらの交渉・進行が再び活性化することとなりました。

エルドアン大統領を出迎えたプーチン大統領は、ロシア戦闘機撃墜に関して言及し、次のように話しました。
「両国間には非常に良い関係が築かれていたが、11月に我が国の戦闘機が撃墜されパイロットが命を落としたことで関係が冷え込んでしまった。そのような折に貴国でクーデターの企てが起こった。今トルコの内政にとって非常に厳しい状況であるにも関わらずあなたが我が国を訪問してくださったことは、我々両国ともに双方向の関係正常化を願っている表れだ。このことは両国の国民の利益となるだろう。私はロシア首脳として、クーデター発生後真っ先にあなたに連絡を取った者の一人であると自負している。我々は法に反するあらゆる企てに反対する。あなたの主導のもと、トルコ国民のみなさんがこの問題を乗り越えることを祈っている。」

これに対し、エルドアン大統領は次のように話しました。
「あの残念な事件の後、これほど早く二者会談が実現できたことに心より感謝する。今踏み出した一歩、そしてこれから踏み出す一歩で、我々はこれまでとは大きく異なるプロセスに進みだすと信じている。7月15日のクーデター未遂を受け、翌日首脳レベルで貴国が連絡してきてくれたことは、私たちメンバーだけでなく、国民全ての喜ぶところだった。先週日曜、トルコ国民は広場に集結し、クーデター反対の意思を明らかにした。今、私たちの間で交わされる対話には、両国の国民だけでなく、全ての地域の重要な政治的期待が寄せられている。我が国が貴国と進める提携が、我々の地域における数多くの問題に解決策をもたらすと信じている。」


大統領および訪問団クラスの会談の後、食事が用意された各テーブルには、プーチン大統領とエルドアン大統領が固い握手を交わす写真がプリントされた記念皿が注目を集めました。

http://www.haberler.com/erdogan-ve-putin-heyetler-arasi-calisma-yemegine-8685893-haberi/

両大統領の共同記者会見で、プーチン大統領は、
「建設的な話し合いとなった。両国とも、危機の前のレベルに引き戻すことを最優先と考えており、トルコの同志と力を合わせて困難を乗り越えていけると考えている。」
と前向きに話しました。

エルドアン大統領も
「包括的かつ効果的な話し合いができた。トルコ-ロシアの関係はただ二国間だけでなく、同時に地域として平和のための重要な意味合いを持っている。」
と述べました。

シリア問題に関する議論も持たれ、双方ともに両国家間の見解の違いはあるものの、シリアのために民主主義の立場は両国に共通するところであり、ふさわしい解決策を見つけていきたいとしています。

この後、両大統領はシリア危機について再び会談を持ち、トルコ国家諜報局顧問ハーカン・フィダン氏を交えて2時間半話し合いました。
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トルコとロシアの歩み寄りによって、今後世界の情勢や経済がどのように動くのか、世界的な注目が集まっています。

<ニュースソース>
http://www.hurriyet.com.tr/100-milyar-dolarlik-tokalasma-40185566
http://www.hurriyet.com.tr/st-petersburg-mesajlari-40187436


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